It's マネーハック !

日本人はお金の知識(ファイナンシャルリテラシー)がないと言われます。確かに、経済学部を卒業し、証券会社で働きながら、独自に保険や不動産投資を研究してきた私の目から見るとあまりに周りの人たちのお金の知識がないことに驚きます。一方で、そんな人たちは、ホントはお金の知識を身に着けたいと言います。でも、どう学べばいいかわからないと…。そんな人たちのために、さまざまな切り口でお金の知識を提供し、少しでも賢くお得に生きてもらおうというのがこのブログの目的です。

暦年贈与信託 おくるしあわせ (三菱UFJ信託銀行)

暦年贈与祖信託「おくるしあわせ」とは?

おくるしあわせは、三菱UFJ信託銀行の提供している信託のサービス、家族への生前贈与を簡単・確実に行える商品です。

年間110万円までの贈与税の非課税枠を活用した商品で、贈与手続きを管理手数料無料で代行してくれます。

贈与の記録が毎回きちんと残るので安心です。

また、毎年三菱UFJ信託からお知らせが届くので贈与の機会を忘れることもありません。

おくるしあわせ の特徴

1.簡単!

贈与契約書の作成や振込などの面倒な贈与手続きは不要です。

2.確実!

贈与取引の記録が残るので、複数の方への贈与や複数年にわたる贈与でも安心です。

3.便利!

贈与を受けた方の残高を贈与した方に毎年お知らせがあるので、次回以降の参考にできます。

おくるしあわせで贈与したお金をNISA口座へ

おくるしあわせで贈与されたお金をそのままNISA口座で投資することも可能です。

20歳以上の方ならNISA口座で年間120万円までの非課税投資枠があります。

20歳未満の方ならジュニアNISA口座で年間80万円までの非課税投資枠があります。

おくるしあわせの詳細

  • 贈与金額は、500万円以上3,300万円以下です。贈与する方1人につき1契約となります。
  • 信託期間は5年以上30年以下で設定できます。
  • 信託報酬がかかります。3月・9月の各25日および信託期間満了日に、金銭信託5年ものの運用収益から予定配当額(予定配当率と信託金の元本により計算される額)等を差し引いた金額
  • 信託設定時そのた契約期間中は手数料はかからず無料です。

こどもトラスト(コモンズ投信)

コモンズ投信のこどもトラスト

2016年からジュニアNISAが始まりましたが、同じような効果を狙った口座として、コモンズ投信こどもトラストがあります。

コモンズ投信が運用するコモンズ30ファンドを対象にして、親や祖父母が資金を拠出して、子ども名義の口座を開設して、運用することができます。

コモンズ30ファンドについて

30年後も成長を続けると見込む企業30社に集中投資するファンド。

主な投資先は、ユニ・チャーム旭化成など。

運用成果や手数料は通常のコモンズ30ファンドと同じです。

0~15歳が対象で、子ども向けの特典として、入会時、3年後、5年後、7年後にそれぞれ3,000円分のボーナスが出て、その分、投資信託を買い増すことができます。

2010年の開始以来、口座数は730で残高は3億円まで増えています。

コモンズ30ファンドの30年後も成長を続けると見込む企業への投資という方針が、子どもの成長に寄り添って育つファンドとしてふさわしいと言えますね。

ジュニアNISAのまとめ

ジュニアNISA簡単まとめ

  • NISAは投資信託や株式の投資で得た利益が非課税になる制度で、ジュニアNISAはNISAの子ども版です。
  • 口座を開設できるのは日本に住む0歳~19歳の子どもです。早いうちから将来に向けての長期投資ができます。
  • 親権者等(親や祖父母など)が資金を出し、子どもに変わって親権者が運用します。
  • 年間80万円までの投資元本を非課税で運用でき、最長5年間運用できるので、トータルの非課税枠は最大400万円です。
  • 運用したお金は、子どもが18歳になったら非課税で引き出せます。
  • 20歳以降は、自動的に成人向けNISAに移行されます。面倒な手続きは必要ありません。
  • 18歳まで払い出しの制限があるので、計画的に大学への進学資金を作ることができます。

ジュニアNISAについて(詳細)

ジュニアNISA(未成年者を対象とした少額投資非課税制度)は2016年4月から始まった新しい制度です。

2014年にスタートしたNISAの子ども版と言えるものです。

2016年1月から取引専用口座の開設の受付が始まり、2016年4月から実際の取引ができるようになります。

対象は0~19歳での未成年者です。

0歳児などは自分で投資できないので、両親または未成年後見人が子どもの名義で代理で投資することになります。

運用資金の拠出は、両親や祖父母はもちろん、第三者でも可能です。

祖父母や両親が、未成年者の子どもの代わりに株式や投資信託に投資します。

ただし、祖父母は孫名義のジュニアNISA口座を開設することはできないので、親が手続きや投資をすることになります。

年間80万円までの投資元本を5年間非課税で運用できます。

成人向けNISAの場合、非課税枠は120万円ですが、ジュニアNISAはそれよりも少なく80万円となります。

成人向けNISAと同様に、購入できるのは上場株式、株式投資信託、上場投資信託ETF)、不動産投資信託REIT)などで、その売却益や配当が非課税となります。

名義は子供や孫の名義となりますが、実際に運用するのは本人ではなく、原則として親権者になります。

ジュニアNISAの口座は、銀行や証券会社で作ることができます。

18歳までは引き出しが制限されます。

新生児から口座を開設することが可能で、子どもが20歳になると成人のNISA口座へ自動的に引き継がれます。 

口座の名義人である子どもが18歳まで払い出しの制限を設けられていることから、主に大学や専門学校などの入学金を準備するのに適しています。

また、入学金などに使わなかった場合、20歳になったら自動的にNISA口座引き継がれるので、若いうちから資産運用に慣れ親しむきっかけになるでしょう。 

1,700兆円を超える日本の個人金融資産の過半は高齢者が保有しているのが現状です。

ジュニアNISAの対象となる未成年者は2,200万人で、子どもや孫のための教育資金作りや財産贈与のための新手法として、ジュニアNISAによる若年層への資産の世代間移転を促す仕組みとして期待されています。 

ジュニアNISAによって祖父母から孫へと資産が移転し、成長資金となって企業の経済活動を後押しして、そこから生まれた利益を若年層が享受するような好循環を目指すことができます。

そして、成人向けNISAも活用すれば、夫婦と子ども二人の家庭なら、非課税枠は、120万×2+80万×2人=400万円となります。

5年間で最大2,000万円を非課税で運用できるようになります。

ただ、現在の制度設計では、新規資金で投資できる期間は、2016年から2023年までの8年間で、これはNISAの制度に準じています。

せっかく早めに運用を開始しても、18歳になるまでに制度が終了してしまうということもあり得ます。

ジュニアNISAについても、NISAと同様に制度の恒久化が望まれています。

ジュニアNISAの概要

口座開設者

その年の1月1日において20歳未満の居住者等、その年に出生した方

口座開設数

全期間を通じて1人1口座のみ

非課税対象

上場株式、公募株式投資信託、ETF、上場REIT

非課税投資枠

毎年、新規投資で80万円

未使用枠を翌年以降に繰り越すことはできない

非課税期間

投資を始めた年から最長5年間(ロールオーバーは可能)

口座開設期間

2016年から2023年までの8年間の各年

ジュニアNISAの賢い使い方

ジュニアNISAは、引き出し制限があり、18歳になるまで待たないと非課税メリットを得ることができません。

つまり、ジュニアNISAは、大学などに進学する費用をしっかり計画的に作るための手段と考えると良いでしょう。

教育費を用意するためのコツは、「早めに」「無理のない」計画を実施することです。

ジュニアNISAで教育資金づくりの第一歩を踏み出すと良いでしょう。

また、教育資金を別途確保することができれば、子や孫はジュニアNISAで運用した資産を保有しつつ社会に出ることができます。

ジュニアNISAを活用するための投資の3つのポイント

Point1:資産分散

資産分散することでリスクを抑えましょう。

Point2:時間分散

積立投資はリスクコントロールに効果的です。

Point3:中長期保有

中長期的な視点で投資しましょう。

 

ジュニアNISAと成人向けNISAの違い

制度対象者

ジュニアNISAの対象は国内に住む0歳~19歳で、成人向けNISAは国内に住む20歳以上です。

投資枠

非課税となる投資枠は、ジュニアNISAは年80万円で、成人向けNISAは年120万円です。

運用者

ジュニアNNISAでは親権者などが運用者となり、成人向けNISAは口座名義人となります。

金融機関の変更

成人向けNISAは投資前なら何度でも変更が可能、投資後でも1年単位で金融機関の変更ができますが、ジュニアNISAは金融機関の変更はできません。

成人向けNISA以上に、事前に証券会社や銀行など各金融機関の品ぞろえやサービスを吟味した上で慎重に選ぶ必要があります。

引き出し制限

成人向けNISAは引き出しは自由ですが、ジュニアNISAでは自由にお金を払い出すことはできません。

ジュニアNISAの口座で購入した株式や投資信託などはいつでも売却は可能です。

しかし、売却して得たお金は、子どもが3月31日現在で18歳である年の1月1日以降にならないとお金を引き出すことはできません。

つまり、子や孫の口座開設時の年齢から18歳になる年までの期間が運用期間になります。

生まれたばかりの子であれば運用期間は約18年、高校2年生なら約1年です。

保有する株式や投資信託から得られた配当や分配金も、その資金をジュニアNISA口座における投資に用いる場合を除き、同様に引き出すことはできません。

受け取った上場株式等の配当金や分配金、譲渡代金などは、NISA口座とは別の「払い出し制限付き課税口座」で管理されます。

もし、引き出す場合には、要件違反となり、ジュニアNISA口座は廃止され、払い出し時に、過去にさかのぼってすべての売却益や配当に課税されることになります。

なお、災害などやむを得ない事情がある場合には、制限期間内でも引き出すことができます。

非課税期間

成人向けNISAの非課税期間は5年間ですが、ジュニアNISAでは5年を過ぎても20歳になるまでは非課税です。

ジュニアNISAは贈与税の対象? 

贈与税は年110万円までは基礎控除と呼ばれる非課税枠があります。

ジュニアNISAは、未成年者が祖父・祖母かなどから贈与を受けた資金で運用することが想定されておりますが、子どもNISAだけでは、年80万円が限度なので贈与税はかかりません。

子どもNISA以外にも資産を贈与する場合には、残りの非課税枠は30万円になります。

祖父母が孫のジュニアNISAの運用資金を贈与する世代を飛び越えた贈与は相続対策として非常に有効です。

ジュニアNISAと学資保険、どっちがいいの?

子どもの教育資金、進学費用の準備という目的から、学資保険はジュニアNISAとよく比較されます。

どっちが有利なのでしょうか?

現在の市場環境を考えると、国債などで安全運用をする学資保険は、利回りの低下で魅力が薄れています。

安全安心の面では学資保険も選択肢の1つとなりそうですが、効率的な運用の面ではジュニアNISAのほうが良さそうです。

ジュニアNISAのスタート1か月後の状況

満を持してスタートしたジュニアNISAですが、開始から1ヵ月経ったあとの4月末の口座開設数は、成人向けのNISAに比べると普及しているとは言えません。

制度開始1か月後の口座数(大手証券10社)
  • ジュニアNISA … 41,707口座
  • 成人向けNISA … 2,788,898口座

このようになんとジュニアNISA制度開始後1か月の口座開設数は、税人向けNISAの開始1か月後の口座開設数の67分の1という水準です。

未成年口座の対象者数が2,200万人とそもそも成人の約5分の1ということもありますが、それでも少ないと言えるでしょう。

使い勝手の問題や相場環境などさまざまな要因はありますが、このままだと子どもや孫への資産の世代間移転という大きな目的が果たせないかもしれません。

ジュニアNISAは開始1年で150万口座??

一方で、2015年7月に発表された野村アセットマネジメントは、ジュニアNISAについて、20歳以上の4万人にアンケート調査をし、推計した結果、ジュニアNISA開始後1年後の開設口座数は約150万口座(未成年者約2,200万人の7%)になると試算しています。

また、同じく野村アセットマネジメントは、ジュニアNISAの開始1年目の投資総額は、5,600億円超と分析しています。

成人向けNISAの1年目の投資総額は、2兆9769億円で、その約5分の1になると予測しています。

果たして本当にこの数字の通りになるのでしょうか?

期待して推移を見守りましょう。

なお、金融庁が制度設計の際にモデルにしたイギリスのジュニアISAは、2014年4月末時点の残高が11億ポンド、約2000億円となっています。

日本とイギリスの人口や貯蓄額の違いを考えると、これを上回る可能性は高いと言えそうです。

ジュニアNISA口座開設が進まない問題点

手続きが面倒くさい

ジュニアNISAの口座開設が伸びない最大の理由は、口座開設の手続きが面倒である点が挙げられます。

2016年の1月よりマイナンバー(税と社会保障の共通番号)が口座開設に必要となる準備しなければならない書類が増えました。

また、まだ馴染みのないマイナンバーの提出に抵抗のある方もいることでしょう。

さらに、提出書類にはジュニアNISA特有の書類があります。

それは、戸籍謄本、戸籍抄本など血縁関係を証明する書類です。

ジュニアNISAの口座開設には、血縁関係を証明する書類が必要で、さらに、祖父母が孫と同居していないケースなどでは、さらに手間がかかります。

資金の引き出し制限がある

ジュニアNISA特有の制限として、引き出し制限があります。

成人向けのNISAでは、いつでも口座から資金を引き出すことができますが、ジュニアNISAの場合、その制度の目的から、子どもが18歳になるまで非課税で資金を引き出すことはできません。

途中で引き出す場合には、過去に生じた利益に対して課税されます。

教育資金などのために、中長期でしっかり計画的に増やすには適切な制限ですが、投資手法としては、利便性がないと感じる人もいることでしょう。

相場動向

相場動向もジュニアNISAの口座開設が進まない原因の1つです。

成人向けNISAの制度スタート時は、アベノミクスの追い風で株式相場が上昇している時期でした。

そのため、個人投資家も抵抗なく、NISA口座開設、投資へと向かっていけました。

しかし、今は、年明けからの下落基調でなかなか新たな投資への踏み切れない時期です。

NISA口座は損益通算ができない

また、NISA口座では、損失が出た場合に、他の口座で出ている取引の利益と相殺する損益通算をすることができません。

今のような相場が軟調な時期には、損失が出てしまう可能性も高く、損益通算のできないNISAでの投資は、敬遠される傾向にあります。

認知度が低い

ジュニアNISAの認知度は低く、成人向けの知名度は7~8割なのに対して、ジュニアNISAは5割弱と言われています。

具体的にジュニアNISA開始前の2015年10月にマネックス証券が実施したマネックス証券に口座を持つ個人投資家に聞いたアンケート(N=881)では、ジュニアNISAを知っている人は約63%、自身がNISA口座を持つ人に限ると約71%。

一方、ジュニアNISAを活用する予定は約18%、活用しない予定は約46%、まだわからないは約35%でした。

このように制度が始まってから検討しない層も多くいたようです。

この理由としては事前の営業期間が成人向けに短かったことが挙げられます。

成人向けNISAのときは、各証券会社が制度開始の半年以上前から営業活動をしていましたが、ジュニアNISAの本格的な営業が開始したのは、2016年の年が明けてからです。

これではあまり期間が短く、十分に知れ渡っていいるとは言えないでしょう。

今後、証券会社が制度の概要をまとめた資料を作って配ったり、親子参加型の金融イベントを企画したりして、認知度の向上を図ることを期待します。

ジュニアNISAに求められていること

ジュニアNISAの開始にあたって、金融機関は金融庁から商品説明の充実=利用者のニーズにあった商品を取り扱っているか事前に説明するや、適切な口座の管理=子供や孫名義の口座を使って親権者らが自分の利益のために株式などの取引をすることを求められています。

ジュニアNISAの今後に期待しよう!

ジュニアNISAは、子どもや孫の将来に向けた資産作りを早めに準備できる非常に優れた運用手段です。

まだ使い勝手が悪いところはありますが、今後、非課税期間の恒久化や、事務手続きの簡素化などもジュニアNISAに期待されており、使い勝手は今後良くなると思われます。

ジュニアNISAで大切な子ども、孫の大切な未来を応援しましょう。

また、ジュニアNISAで子どもの口座管理を通じて、親世代の30~40歳代が投資経験を積む機会が広がります。

きっと小さいうちから投資をする環境で育ったことで子どもも投資に関心を持ち、将来、投資家になることも期待できるでしょう。

若い人ほど時間を味方に付けた長期の資産設計が可能です。

そんな人たちが貯蓄志向の強い日本の金融文化にきっと転機をもたらしてくれることでしょう。

日本においても学校でマネー教育をするところも現れてきていますが、まだ欧米に比べると遅れていると言わざるを得ません。

金融商品や金融詐欺に騙されないように、投機と投資の違いの理解や、リスクリターンの考え方などをジュニアNISAを通して、学んでいけると良いでしょう。

働けないに備える保険:就業不能保険のイロハ

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就業不能保険とは?

一般の家庭では、働き手である一家の大黒柱が思い病気やケガで長期間働けなくなると家計は傾きかねません。

そういったリスクに備えることができる保険が就業不能保険です。

万が一、働けなくなった場合の不安を解消してくれる保険です。

生命保険との違い

生命保険に入っている方は多いと思います。

家庭内での働き手が自分だけであったり、収入の大部分が自分であったりする場合には、万が一、病気などで死亡しても配偶者や子どもがお金に困らないよう生命保険には入っていることでしょう。

しかし、ずっと働けないまま生きる…という可能性もあります。

こういったケースに備えるのが、就業不能保険です。

就業不能になるリスクは?

現役世代の人が就業不能になるリスクはどのくらいあるのでしょうか?

病気やケガなどで会社を休むと最長で1年半、健康保険から給料の3分の2が支給される傷病手当金のデータを見てみると、全国健康保険協会協会けんぽ)の2014年度データによると被保険者の約1%が傷病手当金をもらっています。

平均受給期間は、5ヵ月半ほどで、ほとんどの人が職場復帰をしています。

最長1年6ヵ月まで受給が継続した人は約2.5%にとどまっています。

つまり、被保険者全体で言うと、約0.025%の人が対象で、これは35歳~39歳の死亡率と比べてみると、約3分の1の水準と非常に低く、リスクは小さいとみることもできます。

そのため、リスクが低いことから保険は不要と考えることもできるかもしれませんが、働けなくなったときの家計への影響は死亡よりも大きく、特に個人事業主は、就業不能保険への加入を前向きに検討すべきでしょう。

会社員のケース

貯金が数百万円ある会社員であれば、もし加入を検討するなら、疾病手当金の期限が切れるような長期の就業不能のリスクを中心に検討します。

非課税の疾病手当金があるうちは、手取りの収入が大きく減ることはないためです。

個人事業主のケース

一方、個人事業主のケースでは、疾病手当金がないため、数ヵ月ほどの就業不能でも、その間の生活費をカバーする保険はメリットが大きいため、加入を検討すべきです。

就業不能保険の選ぶポイント

免責期間

就業不能保険を選ぶ際には、働けなくなってから保険金の支払いが始まるまでの免責期間をチェックしましょう。

これはどんな商品にもあります。

免責期間が短いほど、保険料は高くなります。

ライフネット生命の商品では、60日か180日から選ぶことができます。

40歳男性のプランで比較すると、免責期間が60日のプランは、180日プランよりも保険料が5割程度高くなります。

就業不能の定義

就業不能の定義も重要です。

ライフネット生命では、入院か医師の指示による自宅療養としています。

アフラックでは、これらに加えて、公的保障である障害年金の1級、2級に認定されれば保険金が出ます。

ただし、両社とも、40歳前後の方が働けなくなる原因の4割を占める精神疾患は保障していません。

2016年9月発売のチューリッヒ生命くらすプラスは、かなり異なります。

就業不能の定義は、がんなどの5疾病で60日を超えて入院か自宅療養をしたり、うつ病胃潰瘍などのストレス性疾病で60日超の入院をしたりして、働けなくなうことです。

また、その後に快復して働けるようになっても、あらかじめ設定した最長10年の保障期間中はずっと保険金が出ます。

仮に、途中で死亡しても残りは遺族が受け取れます。

就業不能保険の注意点

就業不能保険は、各保険会社によって保障内容は多彩です。

契約を検討するなら、就業不能になるリスクの大きさや保険金が出る条件は確認するようにしましょう。

また、障害年金など公的保障とのバランスも考える必要があります。

病気やケガの初診から、1年6ヵ月を経過すると受給できる障害基礎年金は2級なら年781,000円で、18歳までの子どもがいれば加算があります。

会社員は、これに報酬比例の年金が障害厚生年金として上乗せされます。

さらに、万が一の場合に取り崩せる貯金や相続して売却できそうな不動産も試算しておきましょう。

それでも、万が一の際に家計を維持できるお金が足りなければ、就業不能保険に加入するようにしましょう。

就業不能に備える主な保険

団体長期障害所得補償保険

会社員が就業不能保険を検討するなら、まずは勤務先に団体長期障害所得補償保険(GLTD)があるか確認しましょう。

うつ病などの精神疾患をカバーしているほか、復職してからの収入減少の一部が補填されるなど、一般的には保障は手厚くなっています。

団体長期障害所得補償保険は、募集コストが抑えられるので、大企業などで加入者が多ければ保険料は安くなります。

損害保険ジャパン日本興亜は最大30%割引で、団体ごとの保険収支によってさらに大きな割引を設定できます。

企業独自の福利厚生制度を縮小する代わりに団体長期障害所得補償保険を募集する例は増えていて、業界推計の市場規模は保険料ベースで年間200億円に達しています。

ライフネット生命保険「働く人への保険2」

ライフネット生命保険の就業不能保険「働く人への保険2」の場合、被保険者が60日を超えて入院か医師の指示による自宅療養をすると、働けるようになるまで月15万円の保険金が出ます。

保障期間は60歳までで、仮に40歳からずっと働けないままなら、20年間の保険金は合わせて、15万円×20年間×12ヶ月=3,600万円になります。

アメリカンファミリー生命保険アフラック)「給与サポート保険」

アメリカンファミリー生命保険の「給与サポート保険」も、長期の就業不能になると月15万円の保険金が出ます。

保険会社免責期間主な保障条件保障内容と期間
働く人への保険2 ライフネット生命 60日か180日 入院または医師の指示で在宅療養をして働けない 最長70歳まで毎月保険金
給与サポート保険 アフラック 60日 入院、医師の指示による在宅療養、障害年金1・2級の認定のいずれかに該当 最短6ヵ月、最長65歳まで毎月保険金
くらすプラス チューリッヒ生命 60日 がんなど5疾病の入院や在宅療養、所定のストレス性疾病の入院など 快復しても最長10年の保険金、死亡しても法定相続人が受取

外債投資のイロハ

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外債投資の重要性

投資というと、株式や不動産への投資が浮かぶかもしれません。

ただ、資産運用における分散投資の観点から、債券への投資、特に外国の債券への投資は重要です。

分散投資の基本的な考えでは、運用する資産を国内外の株式と債券にそれぞれ振り向けます。

株式はリターンを期待できるものの値動きは大きく損失を被る可能性もあります。

一方、債券は元本の安全性が高く、着実な利回りを確保できます。

資産全体の安定した投資利回りを追求する上で、債券、特に外国債券の重要性は高まっていると言えます。

国内債券は利回り低下

しかしながら、現在の情勢を見ると、各国中央銀行がマイナス金利政策を導入するなど、債券投資における投資環境は大きく変化しています。

特に、2016年1月末に日銀がマイナス金利政策の導入を決めて以来、国内債券の利回りは著しく低下しています。

個人向け国債は別ですが、市場で決まる国債の利回りは期間10年までの国債はマイナスになっています。

それにともなって、国債の利回りが基準となる社債の利回りも連動して低下しており、国内の債券への投資の魅力は失われています。

利回りがプラスの外国債券は多い

海外の債券はどうでしょうか。

ユーロ圏など日本同様にマイナス金利となっている国がある一方で、プラスの金利を維持している国もあります。

米国や英国では期間が短い債券でも利回りはプラスです。

また、スペインやイタリアも5年~10年といった残存期間の長い債券は利回りがプラスとなっています。

国債券のリスク:為替変動リスク

国債券は、国内債券と異なり為替の変動リスクを負います。

例えば、米ドル建ての債券に投資した場合には、円高・ドル安が進むと、米ドルベースでは利息分が増えていますが、円ベースでは金利収入を上回る為替差損が発生することもあります。

国債券の種類

国債券には、さまざまな種類があります。

国債券へ投資をする場合には、発行体格付け償還までの年限の3点は必ず確認するようにしましょう。

発行体

発行体とは、債券を発行している主体のことです。

発行体が国の場合には国債、事業会社の場合には社債となります。

さらに、国債は、先進国債新興国に大きく分けられます。

国債は、債券の基本で、2016年8月末時点で市場の約半分を占めています。

先進国の国債債務不履行(デフォルト)になるリスクがは低いですが、利回りは想定的に低くなっています。

社債の利回りは、その企業が属する国債の利回りが基準になり、国債よりも高い水準の利回りが通常設定されます。

格付け

格付けは、利回りやリスクと密接な関係があります、約束通り債券が償還されるかの目安となります。

格付けは、格付け会社が決めます。

一般的には、トリプルBマイナス以上のものを投資適格債、トリプルBマイナス未満のものをハイイールド債と呼びます。

ハイイールド債は、日本ではあまり発行はありませんが、米国などでは発行も取引も活発です。

償還までの年限

償還までの年限も外債投資において重要です。

年限が長くなるほど、償還の不確実性が増すので、利回りは高くなりがちで、景気の見通しなども反映されます。

米国債で見てみると、2016年8月末に発行された2年債の利回りは0.76%ですが、8月中旬に発行された10年債の利回りは1.503%と倍の利回りの水準になっています。

このように長期債は足元の利回りは高くなります。

しかし、長期間金利が固定されることもあり、将来の金利上昇による債券価格の低下がリスクとなります。

国債券への投資の方法

国債券へ投資するには、証券会社などで個別に購入する他、投資信託などで小額から投資することも可能です。

ただし、国内の一般投資家が購入できる外国社債は極めて限られます。

投資信託を使えば、小額で広く投資することができます。

投資信託で外国債券に投資する場合には、どのような債券を組み入れているか確認した上で購入するようにしましょう。

投資した後は、金利の状況や為替の状況などを確認してリスク管理をすることが重要です。

社債の購入では、企業の経営状況などを把握する必要がありますが、投資信託なら運用のプロがそうした作業を肩代わりしてくれることはメリットです。

投資適格の社債を中心に組み入れる投資信託の中には、保有銘柄の平均利回りが2%を超えるものもあります。

また、為替リスクを回避(ヘッジ)する投資方法もあります。

これらの方法を利用することで、リスクを抑えた運用も可能です。

投資適格債券

国債券への投資の基本となるのは、高格付けの投資適格債券への投資です。

例えば、先進国の国債などです。

これらの投資適格債券は、格付けなどの情報も得やすく、流動性も高いです。

そのため、個人投資家でも投資しやすいでしょう。

ただし、国債などは、足元では利回りが低下しており、利回りの面では、投資対象としての魅力は低下しています。

社債

国債よりも高い利回りを期待できるのが社債です。

社債は通常、国債を基準に、クレジット・スプレッドと呼ばれる利回りの上乗せがあります。

社債は、格付けの面では国債を下回りますが、債務不履行(デフォルト)になるリスクは低く、利回りは魅力的です。

トリプルBマイナス以上の格付けを取得している海外企業には、アップル、コカ・コーラファイザー、BP(英)、シーメンス(仏)など、日本でも有名な会社があります。

例えば、2016年9月にスリーエム(米)が発行した新発5年社債の発行時の利回りは1.64%で、メットライフの5年債の利回りは1.99%でした。

社債の発行例

発行体格付け発行日償還までの年限発行時の利回り
米国債 AA+ 2016年8月31日 2年 0.76%
米国債 AA+ 2016年8月15日 10年 1.50%
コカ・コーラ AA- 2016年8月29日 5年 1.57%
コカ・コーラ AA- 2016年8月29日 10年 2.26%
シーメンス A+ 2016年9月6日 3年 1.34%
シーメンス A+ 2016年9月6日 5年 1.72%
メットライフ AA- 2016年9月8日 3年 1.60%
メットライフ AA- 2016年9月8日 5年 1.99%
スリーエム AA- 2016年9月14日 5年 1.64%
スリーエム AA- 2016年9月14日 10年 2.37%

社債投資の特徴

社債は、景気回復によって、金利が上昇した場合の影響が、国債に比べて、小さくなりやすい特徴があります。

通常、国債を購入した後に金利が上昇すると、その国債の価値は下がります。

しかし、社債は景気が回復すると、クレジット・スプレッドが縮小傾向になり、国債ほど価値は下がりません。

ハイイールド債

国債券のなかでも、投資家に根強い人気があるのが、ハイイールド債券です。

ハイイールド債とは、一般的には、格付けがトリプルBマイナス未満の債券のことです。

ハイイールド債の魅力は、なんと言ってもその高い利回りです。

先進国の国債に比べると、元本の安全性には不安があり、債務不履行(デフォルト)のリスクも高くなりますが、分散投資の一環と考えるなら投資の魅力は高いと言えます。

ハイイールド債の発行体

ハイイールド債の主な発行体は、新興国など信用力の低い国や、財務基盤の弱い企業などです。

そのため、発行時の利率は高く設定されます。

そうでないと、投資家からお金が集まらないためです。

米国では、新興企業なども債券の発行に積極的です。

ハイイールド債のリスク

投資適格債に比べると、ハイイールド債はデフォルトに陥るリスクは高いと言えます。

そして、発行体が破綻してしまうと、元本の一部しか債券者に返ってきません。

しかし、幅広くさまざまな発行体の債券に投資することで、たとえ一部の債権がデフォルトになり、元本が毀損しても、他の債券の利息収入などでカバーすることも可能になります。

得られた利息を債券の市場価値で割った収益率を見ると、米国のハイイールド債は過去15年間で6%以上の水準で安定しています。

ただし、契機が停滞して、企業の破綻が相次ぐ時期には、ハイイールド債の価格は下がってしまいます。

また、そのような場合には、短期的な値動きも大きくなります。

リーマンショックがあった2008年は、利息収入に取引価格の変動を加味した収益率が▲26%に落ち込みました。

しかし、翌2009年には+58%と、大きく動きました。

価格が安いときに、ハイイールド債を購入することができれば、価格上昇による期待収益は大きくなります。

しかし、値上がり益を狙うのは簡単ではありません。

余裕資金を使い、中長期的な視点で安定的な利息収入を狙うのが基本的なハイイールド債の投資戦略と言えます。

ハイイールド債の種類

ハイイールド債とひと口に言っても、さまざまな債券があります。

特に、地域によって発行体の業種などはさまざまです。

実際に、投資する際にはこれらの特徴も把握しましょう。

また、ハイイールド債に投資する投資信託には、地域を限定したものがありますが、購入する際には、複数の投資信託を組み合わせるなどして、投資先の地域や発行体の業種を分散させたいものです。

分散することによって、経済情勢の変化などで大きく値下がりするリスクを抑えることができます。

アメリカのハイイールド債

アメリカは、世界で最大のハイイールド債の市場で、時価ベースで世界の半分以上を占めています。

また、アメリカでは、新興企業による起債が多いのも特徴です。

発行体を見ると、エネルギーや素材関連の企業が多くあります。

特に、2014年ごろにかけて、原油高を追い風に、シェールオイル採掘などを手がける企業が積極的に社債を発行しました。

これらの特徴は、債券の値動きや利回りにも反映されます。

エネルギー関連企業の多くは、原油価格が下落すると経営には逆風となります。

そのため、原油価格が大きく下がると企業のデフォルトリスクが高まるため、債券価格は下落します。

ヨーロッパのハイイールド債

ヨーロッパは、アメリカに比べると、低格付での起債は少なく、平均的な格付けは、アメリカやアジアに比べると高いです。

つまり、同じハイイールド債でも、ヨーロッパのハイイールド債は、比較的債務不履行(デフォルト)のリスクは低いといます。

ヨーロッパのハイイールド債の市場の中心は銀行で、時価ベースでおよそ2割に達します。

アメリカと異なり、発行体に銀行が多いヨーロッパでは、銀行の経営に逆風となるマイナス金利政策の影響を大きく受けます。

アジアのハイイールド債

アジアでは、ハイイールド債のうち、不動産が4割を占めます。

そのため、不動産価格の変動が債券市場に大きな影響を及ぼします。

また、債券の平均的な年限も短めです。

ライフステージにおける必要資金11選

結婚、出産、住宅の購入、子どもの入学、就職などライフステージにはさまざまな出来事があります。

その中で、お金が必要となる11のテーマについて解説します。

①住宅購入資金

夢のマイホーム、でも、もしもあなたに万が一のことがあったら…

あらゆる可能性を考慮して、夢の実現に向けて、周到な準備をしましょう。

②家賃・ローン

万が一があった場合でも、残された家族が安住の地を失うことがないよう準備をしておきましょう。

③教育資金

子どもの教育費用は、成長するにつれてどんどんかかるようになっていきます。

大切な子どもの将来のために、子どもが小さいうちから準備しておくことが大切です。

④結婚資金

子どもの大切な門出を祝うために、結納から新生活の準備費用まで、備えておきましょう。

⑤万一の際の生活資金

あなたにもしものことがあった場合には、残された家族が安心して毎日を過ごせることはとても重要なことです。

万が一の際の家族の生活資金はしっかりと備えておきましょう。

⑥長期療養資金

もしもあなたが大きな病気にかかってしまったら…?

長期間にわたる収入の減少、停止状態での療養費用や生活資金をしっかりと準備しておきましょう。

⑦緊急予備資金

日々の暮らしの中で突然やってくるケガや病気の治療費、家や家具の修理費など、そんな突然の出費にも備えておきましょう。

⑧生活建て直し資金

万が一、ご主人がなくなった場合、残された家族の新生活が軌道に乗るまで何かとお金がかかります。

万一の際の生活資として備えておきましょう。

⑨老後の生活資金

定年を迎えて、子どもも独立…その後、第2の人生が始まります。

豊かでゆとりのある生活を送るために、十分な老後の生活資金を用意しておきましょう。

⑩相続対策資金

相続税の納付は金銭による一括納付が原則となっています。

事前に相続対策は考えておきましょう。

⑪死後の整理資金

あなたにもしものときに、葬式関連費用、ローン・クレジットの未払い金の精算なども必要になるかもしれません。

あらかじめ準備しておきましょう。

NISAのイロハ

NISAとは?

NISAは、少額投資非課税制度のことで、個人投資家を対象にした証券優遇税制です。

個人が資産運用する上で非常に有効な手段です。

具体的には、NISAを通じて、株式や投資信託に投資をすれば、年間120万円までの投資額を上限に、株式や投資信託の配当や売却益が5年間にわたって非課税になります。

NISAを利用せずに投資する場合には、株式や投資信託の投資によって得られた利益の20%が課税対象となります。

この利益の20%がNISAを利用することで、非課税になるので、有利な資産運用の手段と言えます。

具体的には、120万円で株式を購入し、150万円に値上がりした時点で売却したとすると、利益は30万円です。

通常の証券口座では、この30万円に20%の税金がかかるので、税金として6万円かかり、利益の手取りは24万円となります。

しかし、NISA口座なら30万円が丸々手に入ることになります。

配当金も同様に20%が課税されますが、こちらも非課税になります。

このように、NISAを利用することで資産を作りやすくなります。NISA Q&A

Q1.NISAを利用できる人は?

A1.国内に住む20歳以上の方

Q2.口座開設で必要な資料は?

A2.住民票の写し

Q3.購入できる投資商品は?

A3.上場株式や公募株式投信など

Q4.非課税になる投資額と期間は?

A4.毎年120万円を5年間

Q5.何が非課税になるの?

A5.譲渡益と配当に課税される税金

Q6.途中売却はできるの?

A6.可能。ただし、非課税枠は戻りません。

Q7.使い残した非課税枠は翌年に繰り越しできるの?

A7.できない。非課税枠はその年限り。

Q8.損失が出た場合、証券口座と合算できるの?

A8.できない。

NISAの歴史と動向

NISAは、2014年1月に開始しました。

NISAの口座数は順調に伸びています。

開始1年後の2014年末で825万口座、購入額で約3兆円に達しました。

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出典)平成27年4月 金融庁 NISA口座の利用状況について

http://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20150424-1/01.pdf

その後、2015年3月末で879万口座、購入額で4兆4110億円(3ヵ月で+54万口座、+1兆4340億円)、2015年6月末で921万口座強、2015年末には988万口座、これらの口座を通じた買い付け額は6兆円を超えました

2015年3月末:購入額の4兆4110億円の商品別内訳

  • 上場株式=1兆3983億円(31.7%)
  • 投資信託=2兆9154億円(66.1%)

少額で分散投資できる投資信託が長く利用されているのは、長期の資産形成を促すというNISAの制度趣旨にかなっていると言えそうです。

その後も、2016年1月~2月の大手銀行4行や証券会社10社での開設数は11万4000人に上り、地方銀行などでの開設もあわせると998万人を超えたとみられています。

2016年年初は、円高・株安が進みましたが、個人投資意欲はまだ衰えず、NISAの開設は順調に伸びているようです。

制度が始まった2014年1月からの2年強で1,000万人、つまりは日本国民の10人に1人がNISAを利用しているということになります。

そして、金融庁のデータを見ると、2014年の稼働口座の平均購入額は79万2000円と、全年代を通じて、投資金額が80万~100万円の口座比率が最も高くなっています。

2014年は非課税枠の上限が100万円でしたから利用者が非課税額をフルに使おうとしていることがわかります。

ただし、NISAの口座開設者のうち、一度でも投資をした人の割合(稼働率)は、2014年で45%、2015年で約47%と決して高くはありません。

NISA口座を開設したものの、何もしていない人が依然として約半数いるのです。

投資未経験者による口座開設数も最初の1年で194万口座、全体の23.5%と多いわけではありません。

今後、口座開設を増やすとともに、稼働率を上げて、NISAの裾野を広げる必要があると言えそうです。

口座を開いても投資に踏み切れない個人も少なくなく、利用率向上が大きな課題と言えそうです。

口座開設をしたが投資しない人の理由は、

  • まとまったお金がない
  • 投資の知識がない
  • そもそも投資に興味がない

などが挙げられています。

資金がないという方は、毎月数千円からの少額投資を是非実践して欲しいですね。

投資の知識がない方は、当サイトをはじめさまざまな情報源を活用して、投資の知識をつけて欲しいものです。

投資の意義を理解し投の基礎知識を深めて金融リテラシーを高めます。

そうすることで、金融に関する知識や判断力が備わり、トラブルから身を守ることもできるかもしれません。

そもそも投資に興味がない方には、さまざまな機会が用意されるべきでしょう。

例えば、給与天引きの職場積立NISAが普及すれば、良いきっかけになるかもしれません。

いずれにしても、NISA口座の開設手続きの迅速化が求められることでしょう。

申請から手続きで時間がかかると、せっかくの利用者の投資意欲も下がってしまいます。

また、口座保有者の半数以上は60歳以上で、証券投資に馴染みが薄い20-30代の若年層や中高年層が利用していないのが大きな課題と言えそうです。

NISA口座開設者を年齢層別に見ると、20代と30代は14%程度にとどまっています。

さらに、高齢者層への偏りは口座数だけではありません。

投資商品の購入額でも、60歳代以上の割合は60%以上になります。

60歳代以上は、金融資産が豊富な上に、1980年代後半のバブル期に投資を経験した人が多いことが要因と言えるでしょう。

今後、20歳~40歳代が、税制面で有利なNISAに対する理解を深め、拡大していくことが期待されます。

NISAのスタートから2年が経ち、既存の個人投資家による口座開設は一巡しています。

今後はいかに投資初心者のNISA口座の利用を促していくかが、NISAの最大限の活用には必要になるでしょう。

若年層などの投資に関心の薄い層の利用を促して、活用しやすい制度にしていく必要がありそうです。 

まずはスタートラインに立つ必要がありそうです

NISAの投資枠の拡大

2016年からのNISAの投資枠は、年100万円から年120万円へ20万円拡充されました。

これは金融界からの投資枠の拡大の要望が強く、政府内で検討された結果です。

イメージとしては、毎月10万円ずつ定額で積み立てていくことを想定して、枠を使い切りやすいように設計されています。

以前の年間100万円だと、上限で月83,333円で年間100万円とキリが悪かったのですが、年間120万円なると、上限で月10万円の積み立て投資ができます。

NISAはホントに儲かるのか?

いろいろ言っても最大の関心事は、実際に儲かるのか?儲かっているのか?だと思います。

その点について調べてみました。

NISAを通じた投資による利益は、スタート後の2年間(2014年と2015年)で累計2,200億円に上ります。

その間のNISA口座を通じた総投資額は、6兆4400億円です。

つまり、総投資額の約4%の利益が上がっているようです。

NISAの利用状況(2015年末時点)
  • 累計口座数=987万6361口座
  • 総投資額=6兆4444億円
  • 口座残高=4兆8598億円
  • 株の配当金や投資信託の分配金の合計額=4739億円
  • 累計売却額=1兆3390億円
  • 口座の稼働率=約47%_半数は未稼働
  • 平均投資額=1口座当たり約140万円
  • 投資額の多い商品=投資信託>上場株式>上場投資信託ETF)>不動産投資信託REIT

上記で挙げた利益は、

口座残高+株の配当金や投資信託の分配金の合計額+累計売却額-総投資額

=4兆8598億円+4739億円+1兆3390億円-6兆4444億円

=2283億円

と計算しています。

NISAの目的

NISAの制度の目的は、株式や投資信託などによる資産運用を増やすことです。

日本政府は、貯蓄から投資というスローガンのもと、NISAによって利益を非課税とすることで、国民が自ら投資、資産運用により、老後の資金を準備してもらおうと考えているのです。

日本国民のリスク資産の保有割合は、他の国と比べても少なく、実に家計の金融資産の半分以上が現預金になっています。

そもそも投資とは、本来、対象や時期を分散した中長期の投資でリスクをコントロールしながら、経済や企業の成長とともに自らの資産を成長させていくものです。

NISAの制度も、一度に多額の投資をして短期的な売買をするものではなく、少額からコツコツと時期を分散して、資産を中長期的に殖やしていくような制度設計になっています。

こうしてNISAをきっかけに貯蓄から投資へという流れが少しずつ進展していくことが期待されています。

また、NISAをきっかけとしてみんなが投資を始めることで、資産形成の手段として投資が定着していくことでしょう。

そうすることで、日本経済の成長に必要な資金が家計から供給されて、日本のデフレ脱却にも寄与することでしょう。

これまでは20年に近くにわたってデフレの時代でした。

預金や現金の価値が相対的に上がっていましたので、預貯金にお金をおいておくことは合理的な判断と言えました。

しかし、現在ではアベノミクスにおいて適度なインフレを目指すなど物価が上がることが想像されます。

物価が上がっても資産が目減りしないような投資を行うことが重要になります。

中長期的なリターンを目指す資産運用の手段としてNISAは期待されているのです。

政府の目標数

そんなNISAですが、政府は目標数字として、2020年にNISA口座1500万口座を掲げています。

2015年末で、987万口座なので、目標の65%まで達成しています。

NISAの元になった制度

NISAの元になった制度は、英国のISA(個人貯蓄口座)の制度です。

ISAは、Individual Savings Account の略です。

このISAにN(Nippon)をつけたのがNISAです。

NISAの利用方法

NISAの制度を利用するには、金融機関で専用の口座を開設する必要があります。

この金融機関は、証券会社もしくは銀行になります。

NISA口座は、日本に住む20歳以上の人が1人につき、1つ開設できます。

つまり、1人1つまでしか開設できません

なお、口座を一度廃止しても、翌年以降に口座を再度開くことは可能です。

NISAで投資できる金額

NISA口座を通じて投資できる金額(非課税枠)は、1年間で120万円です。

NISAの制度スタート当初は、100万円でしたが、2016年から120万円に引き上げられました。

この非課税枠は、1月から12月までの1年間で120万円で、株式や投資信託を購入するとその分が消費され、一度使った非課税枠は再利用できません。

例)

年初に100万円の株式を購入した場合、その年にNISAを利用して投資できる金額は残り20万円です。

年初に購入した100万円の株式を途中で売却しても、非課税枠が元に戻ることがありません。

つまり、NISAでの投資では、デイトレードスイングトレードと呼ばれるような頻繁に売買を繰り返すような投資方法には不向きです。

また、年末に投資枠が余っていたとしても、翌年以降に繰り越すことはできません。

NISAの専用口座で株式や投資信託に投資すると、最長5年間、売却益や配当益が非課税となります。

制度をフル活用することで、1人あたり最大600万円の非課税枠が利用できることになります。

NISAの対象になる投資商品

NISAの対象となる投資商品は、上場株式株式投資信託上場投資信託ETF不動産投資信託REITなどです。

つまり、債券やMRFMMFなどの公社債投信は、NISAの対象外で、NISAを通じての購入はできません。

また、通常の預貯金や、外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)も対象外です。

金融機関によって投資できる商品が異なる

証券会社でNISA口座を開くか、銀行でNISA口座を開くかによって投資できる商品に違いが生じます。

なぜなら、上場株式、株式投資信託、上場投資信託ETF)、不動産投資信託REIT)は、銀行では購入できず、証券会社でしか購入できません。

また、株式投資信託は、各金融機関により、取扱い商品が異なります。

NISA口座を開設する前に、何に投資するかを決めて、その商品がある金融機関でNISAの口座を開設するようにしましょう。

既に口座に持っている投資商品はNISA口座に移せない

NISAの対象となるのは、新規に購入した投資商品に限られます。

つまり、特定口座などですでに持っている株式や投資信託をNISA口座に移管することはできません。

持っている投資商品をNISA口座でも保有したいという場合には、新たにNISA口座で購入しましょう。

NISAで購入した投資商品の売却

NISA口座で購入した投資商品は、保有し続けて配当や分配金を非課税で受け取り続けることもできますが、いつでも売却することも可能です。

保有できるのは、投資した年の4年後の年末までで、最長5年間です。

例えば、2014年に購入した株式や投資信託は、2018年末まで保有することができます。

NISA口座での売却で注意したいのが、金融商品を売却しても非課税枠は戻りません。

NISA口座では金融商品を買った時点で、その金額分だけ非課税枠を使ったとされるためです。

つまり、売買を繰り返すと、非課税枠がどんどん減るので、NISAは短期売買に向かないと言えます。

NISA口座で期限を迎えた投資商品はどうなる?

NISAの非課税機関は5年で、例えば、2014年に投資した分は2018年に非課税の期限が切れます。NISA口座で期限を迎えた商品はどうなるのでしょうか。

方法① 売却

わかりやすいのが売却をすることです。

保有する株式や投資信託が値上がりしているなら利益を確定して、非課税で利益を受け取るのがシンプルでわかりやすい方法です。

方法② ロールオーバー

含み損があり売却したくない場合には、翌年分のNISA口座に繰り越すロールオーバーを利用できます。

ロールオーバーすることで、翌年からさらに最長5年間、非課税で配当を受け取りながら値上がりを待つことができます。

この場合、期限を迎えてロールオーバーするタイミングで、金融商品の取得価格はその時の時価に見直されることになります。

例えば、80万円で買った株式が、50万円に値下がりしていた場合、取得価格は50万円に見直され、翌年のNISA口座は50万円で購入したことになり、その分の投資枠が消化されることになります。

方法③ 課税口座に移す

NISAで購入した金融商品を課税口座に移すこともできます。

この場合も、取得価格は時価に見直されます。

課税口座に移せば、NISAの投資枠や期限を気にしないで運用することができます。

ただし、当然ながら非課税にはならず、通常通り配当益や売却益に対して20%課税されます。

注意したいのが、値下がりした商品を課税口座に移す場合です。

80万円で購入した商品が、50万円に値下がりし、その後100万円になって売却したケースで考えてみます。

この取引をすべて課税口座でした場合には、売却益は20万円(=100万円-80万円)になり、税金は4万円(=20万円×20%)になります。

一方、NISA口座で購入、50万円に値下がりした時に課税口座に移管、その後100万円で売却となると、取得額が50万円になっているので、売却益は50万円(=100万円-50万円)になりますので、税金は10万円(=50万円×20%)となり、課税額で不利になってしまうことがあります。

NISA口座では損益通算ができない

NISAで注意したい点として、NISA口座では損益通算ができない点があります。

通常の口座(課税口座)では、1年間の取引で利益から損失を引いた正味の利益に対して課税されます。

例)

銘柄Aで50万円の利益、銘柄Bで10万円の損失があった場合、40万円に対して課税される

銘柄Aで50万円の損失、銘柄Bで10万円の利益があった場合、課税されず、損失分(40万円)を最大3年間繰り越すことができる

しかしながら、NISA口座の利益は、課税の対象外で、損失が出たとしても、なかったものと見なされ、課税口座で生じた利益と損失通算をすることはできません。

NISAで投資すべき商品

NISAでは、上場株式、株式投資信託、上場投資信託不動産投資信託などさまざまな投資先があります。

これらのうち、いったいどんな商品を投資するのがNISAではふさわしいのでしょうか?

まず、これまでに買い付けられた商品の割合を見てみます(2015年9月末時点)

となっています。

NISAでは、利益がでないと非課税のメリットを生かせないため、なるべく損をしない運用を心がけるのが基本です。

そのいった損失を抑えやすい投資商品が、投資信託なのです。

投資信託には、国内外の株式や債券などに分散して投資できるタイプの商品もあり、こういった商品ならリスクを抑えながらリターンを目指せるので、NISA向きと言えそうです。

現役世代の方にオススメなのが、投資信託を積み立てていく投資方法です。

特定の商品を毎月一定額ずつ、自動的に買い付けていきます。

投資信託の価格が高い時にはあまり口数を買えませんが、価格が安い時には多くの口数を購入できます。

この投資方法を続けると、購入した平均価格を抑えることができ、損をしづらくなります。

つまり、積立投資は投資のリスク分散になるのです。

毎月コツコツと投資してリスクを分散し、中長期的な資産運用を目指しましょう。

投資信託の積み立ては、証券会社や銀行で申し込むことができます。

申し込みの最低購入額は、5,000円や10,000円が一般的で、金融機関によっては1,000円以下での申し込みも可能です。

投資信託の積み立てをする場合に気をつけたいのは、手数料の高い投資信託を選ばないことです。

投資信託への投資では、購入時の販売手数料がかかり、保有している間にも信託報酬という手数料がかかります。

長期に運用する場合には、この手数料の大小が投資信託の運用成果に大きな影響を及ぼします。

長期運用での投資信託を選ぶ際は、販売手数料が無料で、似たようなコンセプトの投資信託なら信託報酬の低いものを選ぶようにしましょう。

また、現役世代は、毎月分配型ではなく、分配回数の少ない投資信託を選びましょう。

分配回数のの少ない投資信託のほうが、分配金分を運用に回せるので、効率的に資産を増やせます。

NISA口座の金融機関の変更方法

NISA口座を開設したものの、欲しい商品がない、使い勝手が悪い、店舗が遠いなどなどの理由によって、NISAの金融機関を変更したいと思った場合には、どうするればよいのでしょうか。

NISAの金融機関の変更は、2014年にスタートした時点では一度選んだ金融機関は最長4年間変えられませんでしたが、2015年から毎年変更できるようになりました。

口座は原則として、1年(1~12月)単位で、手続きができる時期は、変更したい年の前年の10月1日から変更する年の9月30日までです。

手続きに必要な書類

NISAの金融機関変更に必要な書類は、

金融商品取引業者等変更届出書

②非課税管理勘定廃止通知書

③非課税口座開設届出書

の3つです。

金融商品取引業者等変更届出書 を変更前の現在NISA口座のある金融機関に提出し、

②非課税管理勘定廃止通知書 を変更前の現在NISA口座のある金融機関から受け取ります。

そして、②非課税管理勘定廃止通知書と③非課税口座開設届出書を変更後のNISA口座を開設したい金融機関に提出します。

NISA口座変更時の注意点

NISA口座の変更にはいくつか注意点があります。

まず、変更したい年の1月1日以降に1回でもNISA口座で投資商品を購入していると、変更はできず、その年の12月までその金融機関のNISA口座を利用し続ける必要があります。

特に、投資信託の積み立てでNISAを利用している方は、うっかりすると1月の積み立てがされていて、金融機関の変更ができない…というケースがありますので忘れずに手続きをしましょう。

また、NISA口座の金融機関を変更しても、変更前に購入した投資商品は、変更前の金融機関のNISA口座に残ることになります。

投資家ら最長5年間、売却益・配当益が非課税になるのは変わりませんが、売却の手続きは変更前の金融機関ですることになります。

NISAに対して投資家から要望が多い制度変更案

NISAに対してはさまざまな要望が出されています。

そのうち、年100万円の非課税枠の拡大は実施され、年120万へと上限が拡充しました。

他には、どのようなことが求められているのでしょうか?

制度の恒久化:NISAはいつまで?

NISAの制度は、2023年(平成35年)で終わる時限措置です。

しかし、証券業界は、制度の恒久化を求めています。

それを受けて、金融庁も2017年度の税制改正要望に恒久化を盛り込むかどうか検討してる最中です。

投資対象の拡大

現在、NISAで対象の投資先は、上場株式、株式型投資信託、上場株式投資信託(ETF)、上場不動産投資信託REIT)です。

預貯金や債券は対象ではありません。

しかし、制度のお手本となったイギリスの制度では、預貯金も対象です。

NISAの目的が投資の拡大という面が強いにしろ、預貯金や債券もNISAの対象となることを望んでいる方はきっと多いことでしょう。

NISAとジュニアNISAの比較

NISA

制度対象者

国内に住む20歳以上

投資上限枠

年120万円

必要提出書類

マイナンバー記載書類、住民票など

運用者

口座名義人

払い出し

自由

金融機関の変更

1年ごとに可能

投資可能商品

上場株式、公募株式投信など

非課税対象

売却益、配当、普通分配金

非課税機関

投資した年から最長5年

投資可能期間

2023年12月末まで

ジュニアNISA

制度対象者

国内に住む0歳~19歳

投資上限枠

年80万円

必要提出書類

マイナンバー記載書類、住民票など

運用者

親権者ら

払い出し

18歳になるまで制限

金融機関の変更

不可

投資可能商品

上場株式、公募株式投信など

非課税対象

売却益、配当、普通分配金

非課税機関

投資した年から最長5年

投資可能期間

2016年4月~2023年12月末