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日本人はお金の知識(ファイナンシャルリテラシー)がないと言われます。確かに、経済学部を卒業し、証券会社で働きながら、独自に保険や不動産投資を研究してきた私の目から見るとあまりに周りの人たちのお金の知識がないことに驚きます。一方で、そんな人たちは、ホントはお金の知識を身に着けたいと言います。でも、どう学べばいいかわからないと…。そんな人たちのために、さまざまな切り口でお金の知識を提供し、少しでも賢くお得に生きてもらおうというのがこのブログの目的です。

投資信託のイロハ

投資信託の選び方

実は、国内には5,000本を超える公募投資信託があります。

そのなかから自分にあった投資信託を見つけることとがどのれくらい大変かは想像に難くありません。

ただ、まず自分にあった投資信託を見つけるために大切なことは、投資信託を活用して、どのような目標を達成するのか?ということです。

まずは、目標を決めましょう。

目標を決める際に重要なのは、運用資金の性格自分自身の性格という2つの性格です。

運用資金の性格

例えば、運用に回すお金には次のようながあります。

  • お小遣いの一部
  • 子どもの進学資金の準備
  • 老後のための資金の準備

また、今の時点で、

  • 株や債券、投資信託などをすでに持っているか
  • 預貯金以外の金融資産は持っていないのか

によっても運用資金の性格は変わってきます。

これらの内容によって、どの程度リスクを取ってもよいかが変わってくるのです。

そして、どの程度リスクを取ってもよいかがわかることで、国内株式、国内債券、外国株式、外国債券などどの資産クラスで運用する投資信託を買うべきかが絞れてきます。

例えば、お小遣いの一部を運用して旅行資金を稼ぎたいのなら、新興国の株式や債券で運用する高リスクの投資信託を選んで値上がりに期待するのもよいでしょう。

一方で、子どもの進学資金の準備のためのお金なら、高リスクのものに投資をして、いざ必要な時に値下がりしていて必要な金額に足りないというのは避けなければいけません。

分配金の考え方

分配金に対する考え方も基本的には同じです。

毎月分配型の投資信託が人気ですが、複利運用の効率が落ちるため、老後資金の準備など中長期の運用には不向きです。

しかし、すでに年金生活を送っているような人が、毎月の年金の足しにしようと毎月分配型の投資信託を買うのなら理にかなっています。

自分自身の性格

運用資金の性格とともに重要なのが、自分自身の性格です。

虎の子の資金が価格変動にさらされたときにどう感じるかは人それぞれです。

わずかに元本を割ってしまっただけで気持ちが落ち着かなくなってしまう人もいれば、数十万円、数百万円の含み損が出てもそのうち戻るだろうと鷹揚に構える人もいます。

投資のリスク許容度は、資金の性格だけでなく、このような投資家自身の性格によっても大きく異なることになります。

投資信託の運用収益

投資信託の運用収益は、売却益分配金の2つです。

売却益を狙う人は基準価額の推移に、分配金に期待する人は分配利回りに目が向きがちです。

しかし、それだけでは正しい運用成績は見えません。

株価指数などに連動した運用を目指すインデックス型投信の場合、基準価額が下がったからといって、運用が下手とはなりません。

日経平均株価に連動する投資信託なら、日経平均が低迷すれば、当然基準価額は下がります。

分配金利回りは、分配金と聞くと、利益から支払われていると思われがちですが、運用成績が上がらず、元本(純資産)を取り崩して支払うケースも少なくありません。

このような分配金を特別分配金と呼びます。

特別分配金を払えば、基準価額は下がります。

つまり、投資家は儲かったとは実は言えないのです。

トータルリターンを見よう

投資信託の運用成績は基準価額を見るだけでも、分配金利回りを見るだけでも不十分です。

両方を加味した指標であるトータルリターンで測るのが正解です。

そして、数ヵ月や1年程度では本当の実力は見えないので、なるべく長い時間軸で図るようにしましょう。

リスクも見よう

リターンとあわせてリスクにも目配りしましょう。

いくら期待リターンが高くても、リスクが高い運用なら成績が急速に悪化する可能性があるからです。

リターンとリスクのバランスを見るのに有効な指標がシャープレシオです。

シャープレシオを見よう

シャープレシオは、リターンをリスクで割って計算します。

値が大きいほどリスクの割にリターンが大きい優れた投資信託と言えます。

具体的には、投資信託の平均リターンから無リスク資産の収益率(10年物国債利回りなど)を引いた値を、標準偏差(リスク)で割って求めます。

標準偏差とは、リターンのばらつきの大きさでありリスクを表します。

トータルリターンやシャープレシオは運用報告書のほか、モーニングスターなど投信評価会社のウェブサイトで簡単に確認できます。

投資信託の積立投資

投資信託が現役世代の資産形成に向いている理由として大きいのが、積立投資がしやすいということです。

安定期な資産運用のためのキーワードは分散です。

分散には、投資対象の資産の分散時間の分散が重要です。

時間の分散とは、一度に投資を集中させずに、時間をおいて何度かにわけて資金を投資していくことです。

そうすることで、高値掴みを避けることができます。

この資産の分散と時間の分散という2つの分散を同時にできるのが、投資信託の積立投資です。

毎月コツコツと一定額を購入する投資信託の積立投資は、将来に向けてじっくり資産形成したい人にピッタリの運用方法です。

一定額ずつ積立投資をすると、価格が高いときには購入口数は少ないですが、価格が安いときにはたくさんの口数を購入することができます。

価格が一方的に右肩上がりになるケースを別にすると、積立投資なら平均購入価格は自然と下がっていきます。

このような投資方法はドルコスト平均法と呼ばれます。

ドルコスト平均法は、投資初心者でも簡単にできる代表的な投資方法です。

積立投資ならどんなときでも続けられる!?

積立投資には、他にも効果があります。

それは、どんな局面にあっても淡々と続けられることです。

投資をする前はしっかり方針を決めていても、自分でタイミングを見計らって売買すると、いざ価格が下がってしまうと、損失が小さいうちに売却しようと弱気になってしまたったり、価格が上がると今のうちに利益を確定させておこうと売り急いだりします。

毎月同じ金額で自動的に投資信託を買うようにすれば、値動きを気にせず、淡々と続けることができます。

投資信託は証券会社だけでなく、銀行や郵便局でも購入することができ、多くの金融機関で積立投資をすることができます。

いつ投資を始めればいいかわからないという人は、積立投資からスタートするのもよいでしょう。

アクティブ運用とインデックス運用(パッシブ運用)

投資信託には、アクティブ運用インデックス運用(パッシブ運用)の2つのタイプがあります。

アクティブ運用は、運用のプロであるファンドマネージャーが情報やスキルを駆使して、投資対象や投資銘柄を選び、利益を狙うタイプの投資信託です。

これに対して、インデックス運用投資信託は、ベンチマークと呼ばれる運用指標を決めて、それに連動するように運用します。

国内株式なら日経平均株価東証株価指数TOPIX)などが運用指標として一般的です。

インデックス運用の根底には、市場は効率的で、株価は企業の実力に応じた水準なっているという考え方があります。

そのため、市場全体に資金を振り向けるのです。

インデックス運用には、企業調査などのコストが不要なため、運用にかかる手数料が低いという強みがあります。

 パッシブ運用アクティブ運用
投資目標 株価指数への連動 株価指数を上回る成績
投資手法 指数に含まれる全銘柄を機械的に保有する 運用者が個々の銘柄の魅力に応じて投資するかどうかを判断する
運用コスト 低い 企業調査などの費用の分だけ高くなる

アクティブ型とインデックス型はどちらがいいの?

一見、アクティブ型の投資信託を買って、運用のプロであるファンドマネージャーに任せたほうが得策と思うかもしれません。

しかし、実はそうとも言いきれません。

アクティブ型の投資信託は、ファンドマネージャーをはじめとする人件費や調査費などがかさみ、インデックス型の投資信託よりも、投資信託の手数料である信託報酬が高めです。

年間で1~2%程度の差ですが、長い期間で見ると、収益に対する大きな足かせとなります。

また、プロが銘柄を選ぶといっても、常に市場平均を上回る銘柄を選び出せるとは限りません。

実際に過去の運用成績を見ると、アクティブ型が市場平均を下回ることも決して少なくありません。

確かに、インデックス型を上回る運用成績を挙げているアクティブ型の投資信託もありますが、事前に投資家がインデックス型を上回るアクティブ型の投資信託かどうかを見抜くのは難しいでしょう。

手数料の安さを考えれば、複数のインデックス型投信に分散投資したほうが有効と言えるでしょう。

インデックス型ならETFも選択肢

インデックス型では、上場投資信託ETFという選択肢もあります。

ETFは、最低投資金額が数万円~数十万円と高い反面、手数料は割安です。

まずは、通常のインデックス型の投資信託を買って、まとまった金額になれば、同じタイプのETFに乗り換えるという手もあります。

インデックス運用の問題点

インデックス運用には2つ問題点があるといわれます。

資金規模が膨らみすぎると価格再発見機能を弱めてしまう

機械的に市場全体に投資するインデックス運用は、資金規模が膨らみすぎると優良企業の株価は高く、不振企業の株価は安くなる市場の価格再発見機能を弱める恐れがあると言われています。

日銀が購入する上場投資信託インデックス運用で、年6兆円という大規模な買い入れを続けると市場にひずみを生じかねないと指摘されています。

議決権をどう行使するか

幅広い銘柄を保有するインデックス運用では、議決権をどう行使するかも重要になります。

上場投資信託が保有する株式の議決権は各運用会社の社内ルールに沿って行使されます。

こちらに関して、上場投資信託の日銀による買い入れにおいては、日銀は直接には関与しません。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は採用する運用会社に議決権行使をまかせて、その状況をヒアリングするなどしています。