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It's マネーハック !

日本人はお金の知識(ファイナンシャルリテラシー)がないと言われます。確かに、経済学部を卒業し、証券会社で働きながら、独自に保険や不動産投資を研究してきた私の目から見るとあまりに周りの人たちのお金の知識がないことに驚きます。一方で、そんな人たちは、ホントはお金の知識を身に着けたいと言います。でも、どう学べばいいかわからないと…。そんな人たちのために、さまざまな切り口でお金の知識を提供し、少しでも賢くお得に生きてもらおうというのがこのブログの目的です。

ジュニアNISAのまとめ

NISA

ジュニアNISA簡単まとめ

  • NISAは投資信託や株式の投資で得た利益が非課税になる制度で、ジュニアNISAはNISAの子ども版です。
  • 口座を開設できるのは日本に住む0歳~19歳の子どもです。早いうちから将来に向けての長期投資ができます。
  • 親権者等(親や祖父母など)が資金を出し、子どもに変わって親権者が運用します。
  • 年間80万円までの投資元本を非課税で運用でき、最長5年間運用できるので、トータルの非課税枠は最大400万円です。
  • 運用したお金は、子どもが18歳になったら非課税で引き出せます。
  • 20歳以降は、自動的に成人向けNISAに移行されます。面倒な手続きは必要ありません。
  • 18歳まで払い出しの制限があるので、計画的に大学への進学資金を作ることができます。

ジュニアNISAについて(詳細)

ジュニアNISA(未成年者を対象とした少額投資非課税制度)は2016年4月から始まった新しい制度です。

2014年にスタートしたNISAの子ども版と言えるものです。

2016年1月から取引専用口座の開設の受付が始まり、2016年4月から実際の取引ができるようになります。

対象は0~19歳での未成年者です。

0歳児などは自分で投資できないので、両親または未成年後見人が子どもの名義で代理で投資することになります。

運用資金の拠出は、両親や祖父母はもちろん、第三者でも可能です。

祖父母や両親が、未成年者の子どもの代わりに株式や投資信託に投資します。

ただし、祖父母は孫名義のジュニアNISA口座を開設することはできないので、親が手続きや投資をすることになります。

年間80万円までの投資元本を5年間非課税で運用できます。

成人向けNISAの場合、非課税枠は120万円ですが、ジュニアNISAはそれよりも少なく80万円となります。

成人向けNISAと同様に、購入できるのは上場株式、株式投資信託、上場投資信託ETF)、不動産投資信託REIT)などで、その売却益や配当が非課税となります。

名義は子供や孫の名義となりますが、実際に運用するのは本人ではなく、原則として親権者になります。

ジュニアNISAの口座は、銀行や証券会社で作ることができます。

18歳までは引き出しが制限されます。

新生児から口座を開設することが可能で、子どもが20歳になると成人のNISA口座へ自動的に引き継がれます。 

口座の名義人である子どもが18歳まで払い出しの制限を設けられていることから、主に大学や専門学校などの入学金を準備するのに適しています。

また、入学金などに使わなかった場合、20歳になったら自動的にNISA口座引き継がれるので、若いうちから資産運用に慣れ親しむきっかけになるでしょう。 

1,700兆円を超える日本の個人金融資産の過半は高齢者が保有しているのが現状です。

ジュニアNISAの対象となる未成年者は2,200万人で、子どもや孫のための教育資金作りや財産贈与のための新手法として、ジュニアNISAによる若年層への資産の世代間移転を促す仕組みとして期待されています。 

ジュニアNISAによって祖父母から孫へと資産が移転し、成長資金となって企業の経済活動を後押しして、そこから生まれた利益を若年層が享受するような好循環を目指すことができます。

そして、成人向けNISAも活用すれば、夫婦と子ども二人の家庭なら、非課税枠は、120万×2+80万×2人=400万円となります。

5年間で最大2,000万円を非課税で運用できるようになります。

ただ、現在の制度設計では、新規資金で投資できる期間は、2016年から2023年までの8年間で、これはNISAの制度に準じています。

せっかく早めに運用を開始しても、18歳になるまでに制度が終了してしまうということもあり得ます。

ジュニアNISAについても、NISAと同様に制度の恒久化が望まれています。

ジュニアNISAの概要

口座開設者

その年の1月1日において20歳未満の居住者等、その年に出生した方

口座開設数

全期間を通じて1人1口座のみ

非課税対象

上場株式、公募株式投資信託、ETF、上場REIT

非課税投資枠

毎年、新規投資で80万円

未使用枠を翌年以降に繰り越すことはできない

非課税期間

投資を始めた年から最長5年間(ロールオーバーは可能)

口座開設期間

2016年から2023年までの8年間の各年

ジュニアNISAの賢い使い方

ジュニアNISAは、引き出し制限があり、18歳になるまで待たないと非課税メリットを得ることができません。

つまり、ジュニアNISAは、大学などに進学する費用をしっかり計画的に作るための手段と考えると良いでしょう。

教育費を用意するためのコツは、「早めに」「無理のない」計画を実施することです。

ジュニアNISAで教育資金づくりの第一歩を踏み出すと良いでしょう。

また、教育資金を別途確保することができれば、子や孫はジュニアNISAで運用した資産を保有しつつ社会に出ることができます。

ジュニアNISAを活用するための投資の3つのポイント

Point1:資産分散

資産分散することでリスクを抑えましょう。

Point2:時間分散

積立投資はリスクコントロールに効果的です。

Point3:中長期保有

中長期的な視点で投資しましょう。

 

ジュニアNISAと成人向けNISAの違い

制度対象者

ジュニアNISAの対象は国内に住む0歳~19歳で、成人向けNISAは国内に住む20歳以上です。

投資枠

非課税となる投資枠は、ジュニアNISAは年80万円で、成人向けNISAは年120万円です。

運用者

ジュニアNNISAでは親権者などが運用者となり、成人向けNISAは口座名義人となります。

金融機関の変更

成人向けNISAは投資前なら何度でも変更が可能、投資後でも1年単位で金融機関の変更ができますが、ジュニアNISAは金融機関の変更はできません。

成人向けNISA以上に、事前に証券会社や銀行など各金融機関の品ぞろえやサービスを吟味した上で慎重に選ぶ必要があります。

引き出し制限

成人向けNISAは引き出しは自由ですが、ジュニアNISAでは自由にお金を払い出すことはできません。

ジュニアNISAの口座で購入した株式や投資信託などはいつでも売却は可能です。

しかし、売却して得たお金は、子どもが3月31日現在で18歳である年の1月1日以降にならないとお金を引き出すことはできません。

つまり、子や孫の口座開設時の年齢から18歳になる年までの期間が運用期間になります。

生まれたばかりの子であれば運用期間は約18年、高校2年生なら約1年です。

保有する株式や投資信託から得られた配当や分配金も、その資金をジュニアNISA口座における投資に用いる場合を除き、同様に引き出すことはできません。

受け取った上場株式等の配当金や分配金、譲渡代金などは、NISA口座とは別の「払い出し制限付き課税口座」で管理されます。

もし、引き出す場合には、要件違反となり、ジュニアNISA口座は廃止され、払い出し時に、過去にさかのぼってすべての売却益や配当に課税されることになります。

なお、災害などやむを得ない事情がある場合には、制限期間内でも引き出すことができます。

非課税期間

成人向けNISAの非課税期間は5年間ですが、ジュニアNISAでは5年を過ぎても20歳になるまでは非課税です。

ジュニアNISAは贈与税の対象? 

贈与税は年110万円までは基礎控除と呼ばれる非課税枠があります。

ジュニアNISAは、未成年者が祖父・祖母かなどから贈与を受けた資金で運用することが想定されておりますが、子どもNISAだけでは、年80万円が限度なので贈与税はかかりません。

子どもNISA以外にも資産を贈与する場合には、残りの非課税枠は30万円になります。

祖父母が孫のジュニアNISAの運用資金を贈与する世代を飛び越えた贈与は相続対策として非常に有効です。

ジュニアNISAと学資保険、どっちがいいの?

子どもの教育資金、進学費用の準備という目的から、学資保険はジュニアNISAとよく比較されます。

どっちが有利なのでしょうか?

現在の市場環境を考えると、国債などで安全運用をする学資保険は、利回りの低下で魅力が薄れています。

安全安心の面では学資保険も選択肢の1つとなりそうですが、効率的な運用の面ではジュニアNISAのほうが良さそうです。

ジュニアNISAのスタート1か月後の状況

満を持してスタートしたジュニアNISAですが、開始から1ヵ月経ったあとの4月末の口座開設数は、成人向けのNISAに比べると普及しているとは言えません。

制度開始1か月後の口座数(大手証券10社)
  • ジュニアNISA … 41,707口座
  • 成人向けNISA … 2,788,898口座

このようになんとジュニアNISA制度開始後1か月の口座開設数は、税人向けNISAの開始1か月後の口座開設数の67分の1という水準です。

未成年口座の対象者数が2,200万人とそもそも成人の約5分の1ということもありますが、それでも少ないと言えるでしょう。

使い勝手の問題や相場環境などさまざまな要因はありますが、このままだと子どもや孫への資産の世代間移転という大きな目的が果たせないかもしれません。

ジュニアNISAは開始1年で150万口座??

一方で、2015年7月に発表された野村アセットマネジメントは、ジュニアNISAについて、20歳以上の4万人にアンケート調査をし、推計した結果、ジュニアNISA開始後1年後の開設口座数は約150万口座(未成年者約2,200万人の7%)になると試算しています。

また、同じく野村アセットマネジメントは、ジュニアNISAの開始1年目の投資総額は、5,600億円超と分析しています。

成人向けNISAの1年目の投資総額は、2兆9769億円で、その約5分の1になると予測しています。

果たして本当にこの数字の通りになるのでしょうか?

期待して推移を見守りましょう。

なお、金融庁が制度設計の際にモデルにしたイギリスのジュニアISAは、2014年4月末時点の残高が11億ポンド、約2000億円となっています。

日本とイギリスの人口や貯蓄額の違いを考えると、これを上回る可能性は高いと言えそうです。

ジュニアNISA口座開設が進まない問題点

手続きが面倒くさい

ジュニアNISAの口座開設が伸びない最大の理由は、口座開設の手続きが面倒である点が挙げられます。

2016年の1月よりマイナンバー(税と社会保障の共通番号)が口座開設に必要となる準備しなければならない書類が増えました。

また、まだ馴染みのないマイナンバーの提出に抵抗のある方もいることでしょう。

さらに、提出書類にはジュニアNISA特有の書類があります。

それは、戸籍謄本、戸籍抄本など血縁関係を証明する書類です。

ジュニアNISAの口座開設には、血縁関係を証明する書類が必要で、さらに、祖父母が孫と同居していないケースなどでは、さらに手間がかかります。

資金の引き出し制限がある

ジュニアNISA特有の制限として、引き出し制限があります。

成人向けのNISAでは、いつでも口座から資金を引き出すことができますが、ジュニアNISAの場合、その制度の目的から、子どもが18歳になるまで非課税で資金を引き出すことはできません。

途中で引き出す場合には、過去に生じた利益に対して課税されます。

教育資金などのために、中長期でしっかり計画的に増やすには適切な制限ですが、投資手法としては、利便性がないと感じる人もいることでしょう。

相場動向

相場動向もジュニアNISAの口座開設が進まない原因の1つです。

成人向けNISAの制度スタート時は、アベノミクスの追い風で株式相場が上昇している時期でした。

そのため、個人投資家も抵抗なく、NISA口座開設、投資へと向かっていけました。

しかし、今は、年明けからの下落基調でなかなか新たな投資への踏み切れない時期です。

NISA口座は損益通算ができない

また、NISA口座では、損失が出た場合に、他の口座で出ている取引の利益と相殺する損益通算をすることができません。

今のような相場が軟調な時期には、損失が出てしまう可能性も高く、損益通算のできないNISAでの投資は、敬遠される傾向にあります。

認知度が低い

ジュニアNISAの認知度は低く、成人向けの知名度は7~8割なのに対して、ジュニアNISAは5割弱と言われています。

具体的にジュニアNISA開始前の2015年10月にマネックス証券が実施したマネックス証券に口座を持つ個人投資家に聞いたアンケート(N=881)では、ジュニアNISAを知っている人は約63%、自身がNISA口座を持つ人に限ると約71%。

一方、ジュニアNISAを活用する予定は約18%、活用しない予定は約46%、まだわからないは約35%でした。

このように制度が始まってから検討しない層も多くいたようです。

この理由としては事前の営業期間が成人向けに短かったことが挙げられます。

成人向けNISAのときは、各証券会社が制度開始の半年以上前から営業活動をしていましたが、ジュニアNISAの本格的な営業が開始したのは、2016年の年が明けてからです。

これではあまり期間が短く、十分に知れ渡っていいるとは言えないでしょう。

今後、証券会社が制度の概要をまとめた資料を作って配ったり、親子参加型の金融イベントを企画したりして、認知度の向上を図ることを期待します。

ジュニアNISAに求められていること

ジュニアNISAの開始にあたって、金融機関は金融庁から商品説明の充実=利用者のニーズにあった商品を取り扱っているか事前に説明するや、適切な口座の管理=子供や孫名義の口座を使って親権者らが自分の利益のために株式などの取引をすることを求められています。

ジュニアNISAの今後に期待しよう!

ジュニアNISAは、子どもや孫の将来に向けた資産作りを早めに準備できる非常に優れた運用手段です。

まだ使い勝手が悪いところはありますが、今後、非課税期間の恒久化や、事務手続きの簡素化などもジュニアNISAに期待されており、使い勝手は今後良くなると思われます。

ジュニアNISAで大切な子ども、孫の大切な未来を応援しましょう。

また、ジュニアNISAで子どもの口座管理を通じて、親世代の30~40歳代が投資経験を積む機会が広がります。

きっと小さいうちから投資をする環境で育ったことで子どもも投資に関心を持ち、将来、投資家になることも期待できるでしょう。

若い人ほど時間を味方に付けた長期の資産設計が可能です。

そんな人たちが貯蓄志向の強い日本の金融文化にきっと転機をもたらしてくれることでしょう。

日本においても学校でマネー教育をするところも現れてきていますが、まだ欧米に比べると遅れていると言わざるを得ません。

金融商品や金融詐欺に騙されないように、投機と投資の違いの理解や、リスクリターンの考え方などをジュニアNISAを通して、学んでいけると良いでしょう。