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日本人はお金の知識(ファイナンシャルリテラシー)がないと言われます。確かに、経済学部を卒業し、証券会社で働きながら、独自に保険や不動産投資を研究してきた私の目から見るとあまりに周りの人たちのお金の知識がないことに驚きます。一方で、そんな人たちは、ホントはお金の知識を身に着けたいと言います。でも、どう学べばいいかわからないと…。そんな人たちのために、さまざまな切り口でお金の知識を提供し、少しでも賢くお得に生きてもらおうというのがこのブログの目的です。

信用取引のイロハ

信用取引とは?

手元資金を上回る株を売買できるのが信用取引です。

証券会社などからお金や株式を借りて、自己資金の最大3倍の取引をすることができます。

手元資金で売買する現物取引よりも大きな利益を狙える半面、リスクは高く見通しが外れたときの損失は大きくなってしまいます。

信用取引の仕組み

信用取引で株を買うときには証券会社からお金を借りて株式を買い、株を売るときには株を借りて売ります。

なぜ借りて売買するのでしょうか。

信用買いの場合

株を買う場合を考えてみましょう。

お金を借りて、株を買えば手持ちの資金以上に投資規模を膨らませることができます。

信用取引では、投資家は委託保証金と呼ばれる一種の担保を証券会社に差し入れることで、担保の約3倍の金額まで株を買えます。

これをレバレッジ(てこ)と呼び、自己資金だけで投資する場合に比べて資金効率が高まります。

委託保証金率

購入額に対する委託保証金の比率を委託保証金率と呼びます。

取引を始めるのに必要な最低限の委託保証金率は、証券会社によって異なります。

ネット証券では、30%か33%に設定しているケースが多いようです。

このように設定していることで、委託保証金の約3倍の金額まで株を購入できる計算になります。

委託保証金

証券会社に預けられる委託保証金は、現金だけではありません。

保有している株式を充てることもできます。

これを代用有価証券と呼びます。

ただし、現金と異なり、株式は価値が変動するため、全額を保証金としては認められません。

通常は、80%程度の掛け目があります。

つまり、時価評価額が100万円の株式を委託保証金として差し出すなら、その80%の80万円しか認められません。

信用売りの場合

一方、株を借りて売る場合のメリットは、自分が持っていない銘柄を売ることができることです。

その銘柄の株価が今後下がるとみるなら、売りから入ることができます。

通常の取引では、安く買って高く売ることで利益を得ますが、信用売りなら、高く売って安く買い戻すことで利益を挙げることができます。

信用取引をするために必要な手続き

信用取引をするには、通常の証券口座とは別に、信用取引専用の口座の開設が必要となります。

これを信用口座と呼びます。

証券会社にとっては、投資家に資金や株券を貸すことはリスクをおうことになるため、信用口座を作る際には、十分な金融資産や証券投資の知識を持っているかなど、一定の基準を満たしているかを確認します。

信用買いの流れ

  1. 保証金を証券会社に差し入れる
  2. お金を借りて株を購入する
  3. 株価が上昇あるいは下落する
  4. 返済売りか現引きで決済する

信用買いで収益や損失が出る仕組み

信用買いで収益や損失が出る仕組みは、お金を借りるという点を除けば、通常の株取引と原則同じです。

借りたお金で株式を買い、勝った時点の株価より高い株価で売ることができれば、利益が出ます。

売却代金から、買い付け金額、借入金の金利、税金などを差し引いた残りが実際に手にする利益となります。

逆に、高く買って安く売ってしまうと損失となってしまいます。

現引き

信用買いの決済には、現引きという方法もあります。

買い付け金額や金利、売買手数料などをすべて現金で支払えば、信用買いした株式を現物株として引き取ることができます。

将来の株価上昇を見越して、その銘柄を長期保有したい場合は、現引きを選びましょう。

配当や株式優待、議決権

信用買いでは、配当や株主優待、議決権はもらえません

ただし、信用取引の買い方は、信用取引の売り方が支払う配当調整額を受け取れます。

これが配当の代わりとなります。

信用取引にかかる手数料

現物取引のコストは委託手数料の負担だけですが、信用取引ではお金や株式を借りてくる費用が追加でかかります。

そのため、信用取引の中長期投資ではコストが積みあがってしまうため、信用取引は短期投資に向いていると言えます。

信用買い信用売り
信用取引金利
証券会社などから資金を借り入れる費用
貸株料
証券会社などから株式を借りるための費用
逆日歩
株の貸し手でもあるため、逆日歩を受け取れる
逆日歩
信用売りが多くなると発生、株券の調達コストを負担します。
売買委託手数料 売買委託手数料

信用買いの場合

信用取引で株価を買うときは、投資家は証券会社からお金を借りて株式を買います。

この際に負担するのが信用取引金利です。

例えば、証券会社大手の野村証券が提示している金利は年3%で、各社とも概ね2~4%に設定しています。

信用売りの場合

貸株料

株価の下落局面で利益を出すことができる信用売りの場合、投資家は保有していない株を売るために、証券会社などから株を借ります。

その際に負担するのが貸株料です。

通常は、信用取引金利よりも低く設定されています。

逆日歩

また、信用売りの場合には、逆日歩と呼ばれる貸株料の追加負担が発生する可能性があります。

信用取引の売りが買いよりも大幅に多いと受給のバランスが崩れて、証券会社や証券金融会社の貸株用の株式が不足します。

その場合、保険会社など大株主から貸株用の株を借りる必要が生じます。

その調達費用は、以前から売り建てていた投資家も含めて全員が負担します。

逆日歩は、取引所が売買可能な銘柄を選んで、ルールを設定する制度信用で発生します。

制度信用に指定されている銘柄で売り建てができる銘柄は、貸借銘柄と呼ばれます。

信用取引金利貸株料の計算の仕方

信用取引金利貸株料は、日割りで発生して、売買成立の3営業日後である受渡日を基準に計算されます。

例えば、月曜日に信用取引で注文を出した投資家が火曜日に反対売買をした場合、木曜日・金曜日の2日分の信用取引金利貸株料が発生します。

株式市場が開いていない土曜日・日曜日や祝日も1日に数えます。

そのため、水曜日に反対売買をした場合には、木曜日から月曜日の5日分の信用取引金利貸株料がかかります。